2015/01/20

ざっき。ハナエ2ndアルバムと、田中秀和「Star!!」について

ざっきです。
ハナエ・真部脩一コンビの2ndアルバムの話と、
田中秀和さんのStar!!の話です。





ハナエ・真部脩一コンビの2ndアルバム「上京証拠」が3月4日に発売。
近っ
嬉しっ

十戒クイズと同じく10曲入りの、全曲真部プロデュース。
収録曲タイトルをみるだけでも、良い予感しかしないです!

◆ナタリー記事
http://natalie.mu/music/news/136510

01. EXODUS
02. 神様の神様
03. それってMagic
04. Rainbow Love
05. ハンサム
06. インテリジェンス
07. Dear My Hero
08. フィクション大魔王
09. おとといおいで
10. S-T-A-R-S

むしろ格好良いタイトルの数々。
6曲目の「インテリジェンス」って、自信満々にアホな感じが知性を感じます。

内容も攻め攻めで作られているそうで、
ハナエさんのラップや、真部脩一さんのヒップホップ愛など楽しみ。

発売が楽しみすぎて、むしろ快眠できます。


(追記)発売されたので感想書きました。攻め攻めでたのしい。
ハナエ・真部脩一の「上京証拠」をみつけよう


****



MONACA・田中秀和さん作曲の「Star!!」聴きました。

めっちゃ「田中秀和」だし、めっちゃ「神前暁」ですね!
素晴らしいです。

◆Star!!

今までに、田中さん、神前さんの音楽について、3つの記事で紹介したんですが、
「Star!!」はホントに全部入りで楽しいです。
dimも、augも、短3度転調も。

詳しい解説はどなたかにお願いしまして、
今回は、とても瑣末なお気に入りポイントだけメモします。

難しめなので、よっぽど好きな人向けです。
間違っているところもあると思うので、話半分でどうぞ。



1. ファ# 上のコード


たぶん聴き取りが一番むずかしいのが、サビに登場する
① Iaug/ #IV (ファ#   bラ ド ミ) → オーグメント
② #IVm7-5   (ファ#     ド ミ) → ハーフディミニッシュ (もしくは7なしの#IVdim)

の聴き分けです。
内声の「ラ」がフラットかナチュラルかによって、機能が微妙に変わります。

  // ①の表記はIaug/#IV、IIIaug/#IV、bVIaug/#IV のどれでも良いと思います


(2/20 追記 ごめんなさい!
誤りがありましたので下記訂正します。)

■冒頭サビ
    ほしに   な    れ
            Vm7    Iaug/ #IV 

◆1サビ(1:06-)
    スーパースター   にー
            Vm7    Iaug 

冒頭サビは分数のオーグメントですね。
(サビ2回めからは通常のオーグメントで大丈夫でした。ごめんなさい)

歌の下パートが「スターにー」 のところで ソ → ラb(ソ#)  と半音上行しています。
この半音上がりがオーグメントを作っています。
そう思うと、下パートの「にー」の声って、おどけた音程に聞こえますね。
ここが好き。

■サビの8小節目(1:16-)
     ほしに なれる よ ー
          I/V    #IVm7-5

こちらのほうが自然な使い方です。
Aメロの4小節目にでてくるのもこちらです。(または#IVdimで良さそうです)


こういう一瞬のつなぎに、前者のようなオーグメントを持ってくるのは、
やっぱり田中さんのこだわりポイントなのだと思います。
面白い響きですよね。
一瞬ですが、是非聴いてみましょう。



2. サビ前の転調

サビ前で、短2度下(半音下)へ転調します。 こんな方法があるんだ!
とても切なげで素敵な音がしますね。

                 ガラス の ー        くつに   せいいっぱい
  I 調で    V      bIIm7-5      #IV            VII
(VII調で              IIm7-5          V              I    )

転調予告として、bIIm7-5が差し込まれており、
そこからII→V→Iできれいにつながっています。

bIIm7-5は、一見すると I 調からは遠そうにも思えますが……

構成音は (ド#  ミ  ソ  シ)でほとんど調性に乗っているのと 、
機能は「V度調の#IVm7-5」なので、わりと近いんですね。



V→ bII のように、
ドミナントの飛ばし先のルートを半音上げする、というつなぎ方について。

よくある例として、
Vm7 → I7 → #IVm7-5 というのがありますね。
こちらは使うかも。

これに類するものとして考えておけばよさそうです。



田中秀和さんって27歳なんですか!?
北園みなみさんも24歳くらいだし、
真部脩一さんも29歳かな。若くして独自の記法を持っていて、素晴らしいです。




過去記事です。

■聴いて覚える田中秀和さんのコードワーク
     http://kaho-ss.blogspot.jp/2014/10/blog-post.html

■田中秀和さんのオーグメントコードを聴いてみよう
     http://kaho-ss.blogspot.jp/2014/12/blog-post_7.html

■神前暁さんがつくる魅惑の「短3度転調」
     http://kaho-ss.blogspot.jp/2014/09/3.html


Star!!においても、bIIIdimや、I→Iaugや、Bメロの転調や、
"HELLO!!"と同じ短三度連続上昇など、

MONACAの聴きどころ(というより僕の大好きな音)が満載です。

5 件のコメント:

  1. Star!!のサビの「スーパースターに」のコードに驚きました。
    最初「Ⅰ7/#Ⅳ かな?」と思って確かめたらなんか違う…ナンダコレ?と悩んでおりました。

    Ⅰaug/#Ⅳの響きすごいですね。勉強になります!

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  2. こんにちはyusakuさん。素敵な響きですよね、「にー」の音。
    田中秀和さんの「新・チョコレート事件」サビ直前の和音も、こちらとほぼ同じ運用かなと思います。ときめきます。

    勉強のため、別の記事(lamp)の最後の方に、このコードについてちょっとメモしてみました。
    http://kaho-ss.blogspot.jp/2015/02/lamp1.html

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  3. オーグメント自体めずらしいのに、分数オーグメントとは恐るべしです。
    Iaug/#IV だけじゃなく Iaug/#VI、 Iaug / IIも素敵ですね~。
    数学的な解説でとても面白かったです。

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  4. 気まぐれにStar!! のコードを聴き取ってみていたらこちらの記事に辿り着きました。
    丁寧な解説でとても分かりやすく参考になりました…!
    サビ前の転調のC→F#の動きにバルトークの中心軸システムを思い浮かべていたのですが、ポップスでは割とよくある手段なのですね。
    これからも素敵な記事を楽しみにしております。

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  5. こんにちは。お読みいただいてありがとうございます。
    Star!! いい曲ですよね。
    なるほど、中心軸システムで説明すればよいんですね。遠いけどわりと仲良しな和音、というのが視覚的にもわかります。使用例をいろいろ探してみたくなりますね。

    今後ものんびり更新したいと思います。

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